毎年、新たなテーマのもと、新鮮で豊かな絵画表現にチャレンジし続けている大谷有花。今展のテーマは、「ライフ」。
世界はいま、100年に1度とも言われる経済不況の大津波の真っ只中にいます。また、食糧問題やエネルギー問題など、人類が直面している深刻な課題に対する抜本的な解決策もいまだ見出されていません。そんないまを生きる私たちに問われようとしているのは、私たち一人ひとりの暮らし方や生き方そのものではないでしょうか。今展のテーマを「ライフ」とした大谷の視点は、まさにそこにあるのではないでしょうか。一見、ユーモラスな表現で、まるで絵本のページをめくるように楽しく鑑賞できる今展「ライフ」。しかし、その軽やかな絵画表現とは裏腹に、実は私たちにとって、とても重厚で大切な大谷からの問いかけとメッセージが、そこに含まれているように思われます。
第一生命ギャラリーで開催する大谷有花展は今展で3回目となり、規定により、今回が最後の個展となります。「一人ひとりの存在を尊重しながら、穏やかな時間を共有できる社会であってほしい。観る人をそんな気持ちにさせるような作品を描きたい。」と話す大谷有花の最も新しい絵画世界を、ぜひ皆さまお誘い合わせのうえ、ご堪能下さい。 |